茶平一斎

■輪島塗

輪島塗の起源には諸説あり、室町時代に輪島の重蓮寺(今の重蔵神社)に紀州根来寺の僧が来て膳や椀を作り、住民にも技術を伝えたというのがはじまりといわれ、室町時代後期の1542年には現存する最古の輪島塗である「重蔵権現本殿の朱塗り扉」がつくられました。輪島に輪島塗が発展した理由として、輪島は上質な漆やケヤキ、アテ、輪島地の粉などの漆器づくりの素材に恵まれていたこと。また、気候風土が漆器の生産 に適していたこと。輪島は日本海航路の寄港地として、輪島塗の運搬等に便利であったことなどが上げられます。しかし、最も大きな理由としては、輪島塗の作り手、販売に関わってきた多くの人たちが、輪島塗のプライドと誇りを持ち、技術の向上を続け現在まで受け継いできました。輪島塗はその時代時代を支 えてきた職人たちの努力の結晶の上に成り立っております。現在、輪島市は人口3万人前後の小さな街ですが、用と美をあわせもち、日本を代表する伝統工芸「輪島塗」の産地として多くの人たちにその名を知られています。

■輪島塗の工程

輪島塗は職人の専門化した完全分業制で生み出され、塗りの工程で24工程、細かな工程を入れると124工程を数え、輪島塗が完成するまでに数ヶ月から一年くらいの時間が必要です。工程は大きく分けて木地、きゅう漆、加飾に分けられ、さらにその中で「輪島六職」(椀木地、指物木地、曲げ物木地、塗師、蒔絵、沈金)と呼ばれる分業システムが江戸時代に完成され、後に分業が細かく分けられ、現在は11職種を数えております。
完全分業制である輪島塗の制作を束ね、全てを指揮するのが塗師屋です。塗師屋は、木地、塗り、加飾の各職人と分業システムの手を組み、輪島塗の企画から製造、販売をしていきます。各職人たちは自分の仕事にプライドを持ち、常に技の向上を目指し輪島塗の制作に励んでおります。

木地固め生漆を木地全体に染みこませ、木地を丈夫にし、くるいや動きを止め漆の接着をよくします。
布着せ輪島塗の塗りの特徴である布着せ。欠けたり破損しやすい箇所に麻布(寒冷紗)を貼って補強します。輪島塗の堅牢さを支える工程です。
地付け輪島塗の最も重要な工程である地付け。布着せで補強した上で、輪島市内の小峰山で取れる珪藻土を焼き上げ粉砕した地の粉を生漆と米糊と混ぜ合わせ、粒子の粗いものから細かいものへ、一辺地、二辺地、三辺地と地付けを繰り返し、漆を塗り重ねてゆきます。
砥物地付けを終えた漆器に全体を荒砥石で水研ぎをし成型する「地研ぎ」、「中塗り研ぎ」、「小中塗り研ぎ」と続き、最後に駿河炭を使い、器面の油分やゴミなどを取り除く「拭き上げ」。研ぐということは地味な作業に見えますが、輪島塗を成型する上でとても重要な工程です。
上塗り上塗りをする上塗り部屋は、チリやほこりを嫌い、温湿度を一定に保った部屋。刷毛目やホコリを出さないように丁寧に刷毛で塗り、回転風呂に入れて漆がたれないように乾かします。
蒔絵漆器の器面に、蒔絵筆に漆で絵や文様を描き、乾かないうちに金粉や銀粉を蒔いて定着される技法。蒔絵の技法には高蒔絵や研出蒔絵などの技法があります。
沈金沈金は、専用の沈金鑿(のみ)で漆器の表面に文様を彫り、箔や金銀粉を埋め込む技法。彫ってしまえばやり直しの効かない一発勝負の熟練技です。蒔絵、沈金は、輪島塗を支える加飾技の特徴でもあります。
呂色上塗り後、漆器の表面に艶を出すために行う作業を呂色といいます。漆器の表面を駿河炭や呂色炭で平滑に研ぎ、漆を何度も拭き浸ませて、細かい砥石で研ぎながら、鏡のような艶のある光沢を与えます。

■輪島塗工房見学

茶平漆器店では、輪島塗がどのように制作されているのか、実際に目で見て感じてもらいたい思いから、工房を見学できるようにしております。工房では、塗り、加飾等の工程、輪島塗ができる工程を簡単に説明させていただきます。
茶平工房は、輪島の中心部の輪島朝市から徒歩5分程度の場所に工房があります。

■輪島塗の修理

輪島塗は、何度も漆を塗り重ねており、丈夫な仕上がりになっておりますが、長い年月使っていると、キズや欠けたりすることもあります。輪島塗は傷がついたり、欠けたりしても、修理、修繕が可能です。日常使いの椀やお盆、代々受け継がれた思い出の器等、ご相談下さい。

■輪島の観光

能登半島の先端に位置している輪島市は、海や山などの美しい自然や素朴な人情とともに、古い歴史や文化遺産が各地に点在し、お祭りも一年を通じて盛んに行われるなど観光地としてとても有名です。 輪島でとれた新鮮な海の幸や野菜などを直売する「輪島朝市」春夏秋冬、常に美しい風景をみせてくれる、国の文化財の名勝に指定された「白米千枚田」農家の家々で行われる一年の収穫の感謝と次年度の五穀豊穣を祈願し、ユネスコの世界無形遺産に登録された「あえのこと」等、輪島には、人、物、自然、伝統、何度も行きたくなるような魅力が数多くあります。2011年には、能登4市4町の「能登の里山里海」が日本初の「世界農業遺産」に認定されました。

茶平漆器店

928-0001 石川県輪島市河井町5-158
TEL 0768-22-0610 FAX 0768-22-4842
wajima-chahira-sikki@gray.plala.or.jp

■車のご利用

東京方面から
(約9時間)
関越道(長岡JCT)→北陸道(金沢森本)→連絡道(国道159号津幡バイパス)→能登有料(能登空港IC)→県道1号線で輪島
名古屋方面から
(約5時間)
東名高速(小牧JCT)→名神高速(米原JCT)→北陸道(金沢森本)→連絡道(国道159号津幡バイパス)→能登有料(能登空港IC)→県道1号線で輪島
大阪方面から
(約5時間30分)
中国道・名神高速(吹田JCT)→名神高速(米原JCT)→北陸道(金沢森本)→連絡道(国道159号津幡バイパス)→能登有料(能登空港IC)→県道1号線で輪島
金沢から (約2時間)能登有料道路にて

※所要時間は交通の状況等によって実際と異なる場合があります